24節気・72候暦と年中行事

二十四節気
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24節気・72候暦と年中行事

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日本国は四季がり、その色彩が明確であった。戦後70年余過ぎ,IT、デジタル化が進み、地球温暖化が季節感を不安定にしている。今一度季節感を肌で感じ、季節を楽しめる環境を維持し、生活感を安定することの大切さを実感している。

定住民族で稲作文化を中心とする社会では、年中行事やしきたりを守ることは、社会生活を営む上できわめて重要視された。農作業をはじめ、祭事習慣、冠婚葬祭などの社会生活すべてが、協働・互助の作業・行動であった。

月日は太陰暦で定められた。季節は太陽暦の1年を4等分した春夏秋冬とに分けられ、各九拾壱日間とし、各月一五日単位に分けられ、前半を節気、後半を中期と呼ぶ。さらに二十四等分した二十四節気、二至二分(冬至、夏至、春分、秋分)を軸とし、それぞれの中間点の四立(立春、立夏、立秋、立冬)を合わせた八節の天文歴象を柱として成立している。さらにそれぞれの節気を三等分し、七十二等分した七十二候が用いられ、候がほぼ五日間で有り、動物、植物、気象などの季節感や移ろいをとりいれられ作られ、古代中国の陰陽五行思想を基としている。

恒気法 冬至を起点にし、次の冬至までを一太陽年とし、二四等分した暦。

天保暦 春分を黄径〇度とし、地球から太陽の位置が一五度移動するごとに一節気が進む方(定気法)に改め、天保改歴(一八四二)が行われた。地球が太陽の周りを楕円軌道により好転しているという知見から、各節気の長さはまちまちとなっている。

旧暦における太陽暦的な事項で季節の大切な目安となる日「雑節」、節分、彼岸、八八夜、社日、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日が決められていました。年月日は、立春の前日が節分で、一年の最後の日と決められ、立春が正月と決められ、新しい年の始まりとした。

五節句、旧暦にまつわる、農作業などの社会生活の上で大きな目安となる日として、人日、上巳、端午、七夕、重陽の節句を言い、「ハレの日」(特別な日)とし、休養と保険の為の日で、独特の飲食物を食し、仕事を休む日と決められていた。いくら忙しくても働いてはならず、働く者は「怠け者の節句働き」と言われた。

一日は太陽が東の空にあらわれたときから始まり、西の空に沈んで終わり、江戸時代には夜明けを「明け六つ」、日暮れを「暮れ六つ」と呼んでいまいた。その後、中国の時刻法で一日を一二等分、一二支で言い表し、二時間を一時(いっとき)とする、一二辰刻法が用いられた。

立春 始めて春の兆しが表れてくるころを指す。

初候古・新東方解凍
(はるかぜこりをとく)
暖かい春風が吹いて、川や湖の氷が溶けだすころ。昔は、春は東からやってくると信じられていた。
次候蟄虫始振
(すごもりむしとをひらく)
巣籠していた虫が動き始める。
黄鶯睍脘
(うぐいすなく)
春の到来を告げる鶯が鳴き始め、美しい鳴き声を響かせる。「睍脘」は鳴き声の美しい様子。「初音」は昔から心待ちにしている。
末候古新魚上氷
(うおこおりいずる)
暖かくなって、水の中の魚が氷の間から出てくる。

雨水 降る雪が雨へと変わり、氷が溶けだすころ。この時期は、農耕の準備を始める目安とされる。大地に水分が戻ってきて、生命の声が聞こえてくる。

初候獺祭魚
(たつうおをまつる)
獺(かわうそ)がとらえた魚をすぐに食べずに岸に並べておく習慣。
土脉潤起
(つちのしょううるおいおこる)
地面が水分を含んでしっとりとしてくる。(脉・みゃく、土脉・大地、地脈)
次候鴻雁来
(こうがんきたる)
雁などの渡り鳥が飛来する。(越冬して離れていた鳥が河北後に帰ってきた)
霞始雲逮
すみはじめてたなびく)
末候古・新草木萌動
(そうもくほうどうす)
次第に和らぐ陽光の下、草木が芽生え始める。
冬の間に蓄えていた生命の息吹が外へ現れ始める季節。

啓蟄  春になり、陽気に誘われ、土の中の虫が目覚め動き出す。

初候桃始咲(ももはじめてさきはじめる)桃の花が咲き始める。中国では、不老長寿、子孫繁栄の意味で重視した。

蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)巣籠っていた虫が外に出るようになる。ひと雨ごとに春になる気配を感じる。 
次候倉庚鳴(そうこうなく)鶯が鳴き始める。
桃始笑(ももはじめてさく)桃の花がほころび、花が咲き始める。
末候鷹化為鳩
(たかけしてはととなる)
(陰陽五行のことば)
勇猛な鷹が春の温和な揚期によって鳩の姿に変わる。
菜虫化蝶
(なむしちょうとなる)
冬を過ごした菜虫(青虫)が成長して蛹となり、羽化して天女のような紋白蝶になる。
蝶の事を「夢虫」と呼び、荘子「胡蝶之夢」より

春分 太陽は真東から登り、真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ等しくなる。その後夏至に向て昼の長さが長くなる。「暑さ、寒さも彼岸まで」と言われるように寒さが和らぎ過ごしやすくなる。

初候玄鳥至
(げんちょういたる)
燕が南から飛来する。
雀始巣
(すずめはじめてすくう)
雀が巣を作りだす。
次候雷乃発声
(かみなりすなわちこえをはっす)
秋になりを潜めた雷が、春になって鳴り始める。春の訪れを知らせる。
桜初開
(さくらはじめてひらく)
桜の花が咲きなじめる。
末候雷電
(はじめていなびかりす)
雷に次いで稲光がし始める。恵みの雨を呼ぶ兆しとして喜ばれた。
雷乃発声
(かみなりすなわちこえをはっす)
雷が鳴り始める。春雷と呼び、短く鳴り、虫だしの雷とも言われる。

清明 万物が春の日差しを受けて新鮮で清らかで明るい様を言っている。桜前線が北上し、全国で桜の花見が行われ、最も華やかな季節)

初候桐始華
(きりはじめてはなさく)
桐の花が咲き始める。
玄鳥至燕が南から飛来する。本格的な農耕の季節となる。燕は勤勉で、子育ても熱心で日本人を象徴する。
次候田鼠化為鴽
(でんそけしてうずらとなる)
田鼠(もぐら)が鴽(うずら)になる。
澒雁北
(かりなどがきたへかえる)
暖かくなって雁などが北へ帰る。
末候古・新虹始見虹が初めて見える。

穀雨  立春から七五日目、穀物を育てる春の雨の降るころ。(清明のころに播種し、発芽したコメ籾の成長を促す。)

初候萍初生
(うきくさがじめてしょうず)
池や沼の浮き草が生え始める。
葭初生(あしはじめてしょうず)水辺に葭が生え始める。
次候鳴鳩払其羽
(めいきゅうそのはねをはらう)
いかるが羽をはらう様になる。
霜止出苗
(しもやんでなえいずる)
霜が降りなくなり、稲の苗が育ってくる。
次候戴勝降于桑
(たいしょうくわにくだる)
郭公が桑の木にとまる。
牡丹華(ぼたんはなさく)牡丹の花が咲くようになる。

立夏 夏の始まりで、しだいに夏めいてくるころ。あおあおとした緑、さわやかな風、晴れ渡った気持のよい五月晴れの季節。

初候蝼螻鳴
(ろうこくなく)
雨蛙(けら)が鳴く。
蛙始鳴
(かわずなきはじめる)
蛙(蛙の異体字がある)が鳴きはじめる。野原や田んぼでカエルが鳴きはじめる。
次候古・新蚯蚓出
(みみずがいずる)
蚯蚓(みみず)が地上に這い出る。蚯蚓は他の虫より遅く出る。蚯蚓は畑を肥やし、耕起る。
竹笋生烏瓜の実が成りはじめる。
竹笋生
(たけのこしょうず)
筍が生ず。筍の生命力が初夏を象徴する。

小満 いのちがしだいに満ち満ちていくころ。草木も花々も、鳥も虫も獣も人も、日を浴びて輝く季節。陽気が盛んになり、花の時期が終わった山野の植物は実を結び、田に稲を植える準備を始める。

初候苦菜秀
(くさいひいず) 
にが菜が成長する。
蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)春蚕が成長し桑の葉を盛んに食べる。
次候靡草死
(びそうかる)
田の畦などに生える草などが暑さに枯れる。
紅花栄
(べにはなさかう)
紅花が盛んに咲く。
末候小暑至
(しょうしょいたる)
暑くなってくる。
麦が熟し実り黄金色になる季節で麦の秋と呼ぶ。

芒種  「芒」はイネ科の穀物にある針状のノギのことで麦を表し、麦秋を迎え、刈り取り、その後に稲を植える田植えをする事を表す。

初候古・新蟷螂生
(とうろうしょうず)
(かまきりしょうず)
蟷螂が生まれる。
次候鵙始鳴
(もずはじめてなく)
百舌鳥の仲間が鳴きはじめる。
腐草為蛍
(くさっれたるくさほたるとなる)
腐った草が蛍となる。
反舌無声
(はんぜつこえなし)
百舌鳥が鳴かなくなる。
梅子黄
(うめのみきばむ)
うめの実が黄色く色づく。梅雨のころ。

夏至  夏の真ん中、1年中で一番昼が長く、夜が短い日。暑さが日々増してゆく。
梅雨の真最中で、昼が最も長い季節だが、平均日照時間は4時間程度となり、気温も上がらない。

初候鹿角解
(しかのつのおつ)
鹿の角が落ちる。
乃東枯
(なつかれくさかれる)夏枯草(かこそう)が枯れる。
夏枯草(かこそう)が枯れる。
うつぼ草の花穂が黒ずんで、枯れたように見える。蝉が始めて鳴く。
次候蜩始鳴
(せみはじめてなく)
菖蒲の花が咲き始める。梅雨の到来。
菖蒲華
(あやめはなさく)
蝉(蜩・ひぐらし)が始めて鳴く。
末候古・新
半夏生
(はんげしょうず)
半夏(からすびしゃく)が生え始まる。
どくだみ科のはんげしょうの葉が白変し、白色の花を咲かせる

小暑 梅雨が明けて本格的な夏になる。梅雨明けの頃服務しあう意味並み風の吹く季節。七夕の頃、天の川が、天の中心に位置し、天を二分する。牽牛と織女の星が天の川の両岸に見える。

初候古・新温風至
(あつかぜいたる)
蒸し熱い風が吹いてくる。
次候蟋蟀居壁
(しっしゅつかべにおる)
きりぎりすが壁で鳴く。
蓮始開
(はすはじめてひらく)
蓮の花が咲き始める。
末候古・新鷹乃学習
(たかすなわちがくしゅうす)
鷹の雛が巣立ちの練習を始める。

大暑 最も暑い真夏のころ。夏の高気圧が日本に陣取り、強い日差しが照り付け、連日猛暑が続く。

初候腐草為蛍
(ふそうほたるとなる)
腐った草が蛍になる。
桐始結花
(きりはじめえてはなをむすぶ)
桐の実が固くなる。
次候古・新土潤溽暑
(つちうるおいてあつし)
(つちうるおいてむしあつし)
土がじっとりとして溽。熱せられて、湿度も高い。
末候古・新大雨時行
(たいうときにゆく)
(たいうときどきふる)
時として大雨が降る。入道雲が広がり夕立ちとなる。また台風による驟雨となる季節。

立秋 始めて秋の気配を感じる。立秋は季節の先取りしすぎ。夕方になると、夏の終わりを蜩がもの悲しげになく季節。

初候古・新涼風至
(りょうふういたる)
(すずかぜいたる)
秋の涼しい風が吹くようになる。
次候白露降
(はくろくだる)
露が降りるようになる。
寒蟬鳴
(ひぐらしなく)
ひぐらしが鳴く。
末候寒蟬鳴
(ひぐらしなく)
ひぐらしが鳴く。
蒙霧升降
(ふかききりまとう)
深い霧が立ちこめる。

処暑 まだ暑い。残暑。残暑の中にも秋の兆しを感じる季節。

初候鷹乃祭鳥
(たかすなわちとりをまつる)
鷹は取ってきた鳥をすぐ食べずに並べておく。
綿柎開
(わたのはなしべひらく)
綿の萼が開き、綿毛を出す。明治初期は綿栽培が盛んであった。
次候古・新天地始粛
(てんちはじめてしじむ)
ようやく暑さもおさまる。多少気温も下がり秋へ向かう気配を感じる。
末候古・新禾乃登
(かすなわちみのる)
栗や稲などの穀物が実り始める。「実るほどに首を垂れる稲穂かな」時として大雨が降る。入道雲が広がり夕立ちとなる。また台風による驟雨となる季節。

白露 残暑の中、朝夕はわずかに涼しい風を感じる。草の葉先に露を結ぶ。朝日と共に消える梅雨に秋を感じる。

初候澒雁来
(こうがんきたる)
雁が北から来る。
草露白
(くさのつゆしろし)
草に付いた露が白く見える。
次候玄鳥帰
(げんちょうかえる)
春にやってきた燕が帰る。燕は春に来て、巣をつくり、子育てを終わると集団で暮らし、体力維持に努め帰り支度をして、帰る季節。
鶺鴒鳴
(せきれいなく)
鶺鴒が鳴くようになる。
末候羣鳥養羞
(ぐんちょうしゅうをやしなう)
多くの鳥が冬に備えて食べ物を蓄える。
玄鳥去
(げんちょうさる)
燕が南にかえる。春にやってきた燕が帰る。燕は春に来て、巣をつくり、子育てを終わると集団で暮らし、体力維持に努め帰り支度をして、帰る季節。

秋分 日の出から日没までの昼の長さと日没から日の出までの夜の長さが等しい。彼岸の中日。太陽は真東から登り、真西の極楽浄土の真西に没する。朝晩の気温が下がり、秋気が本格的に加わる。

初候古・新雷乃収声
(かみなりすなわちこえをおさむ)
夕立に伴う雷が鳴らなくなる。
次候古・新
蟄虫坏戸
(ちつちゅうとをとざす)
(坏は、下の横棒がない)
気の早い虫が巣籠りを始める。
末候古・新水始涸
(みずはじめてかる)
田から水を抜いて乾かす。稲刈りに取り掛かる。

寒露 野草に宿る冷たい露が霜に代わるころ。台風による長雨が明け、秋晴れの日が続く。夜は空気が澄み、夜空にさえざえと月が明るむ。夕空が茜に染まり、釣瓶落としの夕暮れ。また彼岸の中日は火が真西に沈むことから、極楽浄土の位置を示すと言われる。

初候澒雁来賓
(こうがんらいひんす)
雁が北から来る。
澒雁来
(こうがんきたる)
雁が飛来する。
次候雀入大水為蛤
(すずめたいすいにいりはまぐりとなる)
雀が海に入り蛤となる。
菊華開(きくのはあひらく)菊の花が開く。
末候菊有黄華
(きくにこうかあり)
菊に黄色の花が咲く。
蟋蟀在戸
(きりぎりすがいえのなかでなく)
きりぎりすが家の中で鳴く。

霜降 朝夕がぐっと冷え込み、霜が降るころ。朝晩はぐっと冷え込み、飛脚の短さを感じる。夜の長さにもの悲しさ、寂しさを感じるが、落ち着いた時間を持つことができる。

初候豺乃祭獣
(さいすなわちけものをまつる)
山犬がとらえた獣をすぐに食べずに並べておく。
霜初降
(しもはじめてふる)
霜が初めて降る。
次候草木黄落
(くさきこうらくす)
草木の葉が黄色くなり落ちる。
霎時施(こさめときどきふる)時雨が降るようになる。
末候蟄虫咸俯
(ちつちゅうことごとくふす)
巣籠りに虫がみな穴に入る。
楓蔦黄
(もみじつたきばむ)
紅葉や蔦が色づく。

立冬 「暦の上の冬」「立」の意味は成るという意味がある。豊かな秋のみのりのころ、秋たけなわ、好天には済んだ青空が美しいころ。

初候水始凍
(みずはじめてこおる)
水が凍り始める。田から水を抜き、稲刈りに取り掛かる。
山茶始開
(つばいはじめてひらく)
山茶花が咲き始める。
次候古・新地始凍
(ちはじめてこおる)
大地も凍り始める。
末候野鶏入水為蜃
(やけいみずにいりおおはまぐりになる)
雉が海に入って大蛤になる。雉が蜃気楼を出現させる。
金盞香
(すいせんのはながさく)
水仙の花が咲く。金盞は金色の杯を意味し黄色い冠をいただく水仙を意味する。

小雪 寒さが進み、そろそろ雪が降り始まるころ。寒さが打って変わって、穏やかな日差しに包まれる陽気になる日を「小春日和」と言う。

初候古・新虹蔵不見
(にじかくれてみえず)
虹は冬に陽の気が衰え、陰の気が強くなると見えなくなる。
次候天気上騰地気下降
(てんきじょうとうしちきかこうす)
天地の木が逆になり、寒さが厳しくなる。
朔風払葉
(きたかぜこのはをはらう)
北風が木の葉をはらう。朔の意味は、北を示し、木枯らし、空っ風のこと。
葉を落とした幹と枝だけの冬木立ちとなり、寒そうな冬景色となる。
末候閉塞而成冬
(へいそくしてふゆとなる)
天地の木が塞がって真冬となる。
橘始黄
(たちばなはじめてきばむ)
橘の気が黄色くなる。柑橘類の色が黄色くなる。

大雪 天地の陽気が塞がり真冬となり、本格的に雪が降り始まる。空が閉ざされ本格的な冬となる。

初候鶡鳥不鳴
(かつちょうなかず)
山鳥も鳴かなくなる。
山茶始開
(つばいはじめてひらく)
天地の気が塞がって真冬となる。
次候虎始交
(とらはじめてつるむ)
虎が交尾をするようになる。
熊蟄穴
(くまあなにこもる)
熊が冬眠を始める。
末候茘梃出
(れいていいずる)
大ニラが芽を出す。
劂魚群
(さけのうおむらがる)
鮭が群がって里帰りで川を遡る。

冬至 冬至の日、昼は最も短く、夜は最も長い。暦法の起点。立冬から始まる冬の基幹の中間点。

初候蚯蚓結
(きゅういんむすぶ)
蚯蚓が寒さから身を守るために地中で固まりとなる。
乃東生
(なつかれくさしょうず)
芹が青々と生える。
次候古・新蚯蚓結
(きゅういんむすぶ)
大鹿(かもしか)の角が落ちる。
末候水泉動
(すいせんうごく)
地中で凍った泉が動き始める。
雪下出麦
(ゆきわたりてむぎのびる)
雪下出麦
(ゆきわたりてむぎのびる)

雪が一面に積もり、その下で麦が芽を出す。

小寒 冬至を過ぎると一段と寒さが厳しくなる。寒の入り、大地の中ではわづかにぬくもりが残る寒さが極まるやや手前のころ。

初候雁北郷
(かりきたにむかう)
雁が北に向かっていく。
芹乃栄
(せりすなわちさかう)
夏枯草が芽を出す。
次候鵲始巣
(かささぎはじめてすくう)
鵲が巣を作り始める。
水泉動
(しみずあたたかをふくむ)
地中で凍った泉が動き始める。
末候野鶏始雊
(やけいはじめてなく)
雉が鳴きはじめる。
雉始雊
(きじはじめてなく)
雉の雄が雌を求めてケーンケーンと鳴きはじめる。

大寒 一年で最も寒さの厳しいこと。日がしだいに長くなり、春に向かう時期である。雪の下で拭きのとうが頭を出す一方で、寒期はますます厳しく(初候)、沢の水が固く凍る(次候)、鶏が卵を抱くようになる(末候)

初候鶏始乳
(にわとりはじめてにゅうす)
鶏が初めて卵をうみ始める。
欵冬(蕗)華蕗の花が咲き始める。
次候鷙鳥廣疾
(しちょうれいしつす)
鷲や鷹などが大空を飛び交う。
水沢腹堅
(さわみずこおりつめる)
沢水が厚く凍る。
末候水沢腹堅
(さわみずこおりつめる)
沢水が厚く凍る。
鶏始乳
(にわとりはじめてとやにつく)
鶏が初めて卵をうみ始める。

〇引用文献

  1. (株)創元社発行 岡田 芳郎著 旧暦読本 現代に生きる「こよみ」の知恵
  2. (株)東邦出版発行 白井明大著 日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし

より引用する。

春霞が棚引き始め、山野の情景に趣が加わる。(雲逮・本来は雲編に逮の一字)棚引  く・たなびく

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