令和2年度予算審査特別委員会自由民主クラブの賛成討論

令和2年度予算審査特別委員会自由民主クラブ

令和2年度予算は、河村市長就任後初めての本格予算の編成となった。三鷹市では生産年齢人口の減少と老齢人口の増加が見込まれ、人口構成が変化する中での予算編成となった。

 高度成長期に整備した公共施設は老朽化が進み、時代のニーズに合わせた機能への転換、更新の時期を迎え、住民協議会や町会などの担い手の高齢化が進み、地域を支えるコミュニティや地域で支え合う仕組みのあり方を見直す時期となるなど、解決すべき課題が山積する中で、持続可能性を求められる予算編成であると考える。

 市長は単なる施策の継続を前提とせず、時代の変化を読み取り、将来のまちづくりを展望する中で、市民サービスのあり方自体を抜本的に見直す大きな転換期とし、「令和の大改革」と位置づけ、改革を実行していくとしている。

 市長の予算提案については、第4次三鷹市基本計画(第2次改定)と各個別計画に盛り込まれた施策が展開されているが、核心的なところが、今後の計画づくりの中で示されることとなり、明確さを欠くものとなっている。

 各施策を推進していくための基本理念を「市民の暮らしを守り、三鷹の魅力を高める「質の高い防災・減災まちづくり」」とし、全ての施策に防災・減災の横串を通し、「都市再生」と「コミュニティ創生」を中心に事業展開を図り、「SDGs」の理念を踏まえた、誰一人として取り残さない持続可能なまちづくりを推進するとしている。今後の市政運営に期待するところである。

 次に、幾つかの重要項目について意見を述べる。

 ふるさと納税については、税制上、普通地方交付税不交付団体に不利にならないよう、国へ強く働きかけるとともに、三鷹市としても市の魅力をアピールして、三鷹らしいインセンティブ及び返礼品の検討を行い、歳入の確保に努めるべきである。

 また、コミュニティ創生の推進については、住協、町会・自治会の現状及び問題点を把握・分析し、新たな時代におけるコミュニティのあり方について、コミュニティの原点に立ち返り、その方向性を定めるべく、市民とともに研究していくことが必要であると思う。特に情報化が進展した時代になればなるほど、より人と人との直接的なコミュニケーションが必要となってくると考える。一方で、ICT技術を活用するとともに、直接的なコミュニケーション、触れ合いを大事にするという意味で、新たな時代のコミュニティがどうあるべきか、市民とともに今こそ考える必要があると思うものである。

 次に、市制施行70周年記念事業の実施に当たっては、華美なものとならないよう、経費節減に意を用いながら、市民、事業者、関係機関との連携・協働により参加型の事業実施となるよう、工夫することが必要である。また、三鷹の歴史・文化などを大切に、市民が三鷹市に誇りと愛着を感じられる未来に向けた事業とすることが重要である。

 また、民生費については少子高齢化社会の進展とともに、今後ともますます増嵩していくことは確実である。必要な支援の重点化と効率的な事業の実施を図るとともに、経費の抑制についても十分に留意していくべきである。また、三鷹市独自の各種扶助費、児童福祉関連費について再検証し、適正化に努めていくべきである。

 次に、教育については、当該年度は「コミュニティ・スクール」から「スクール・コミュニティ」へと発展する年である。学校を核として新たな地域コミュニティを創生することはコミュニティ創生にとっても大いに意義のあることである。

 「スクール・コミュニティ」の発想は他市にもなく、三鷹市が先進的に進めるべきものであると考える。地域コミュニティが希薄になりつつある現在、その果たすべき役割は今後極めて大きなものになると考えられる。教育委員会と市長部局が連携してスクール・コミュニティ施策を推進していくことを期待する。

 次に、当該年度より初めて実施される学力・学習状況調査の実施に当たっては、児童・生徒の学力の経年変化を的確に把握し、指導方法の改善に役立つよう、その内容、実施方法については十分研究して行っていくべきである。

 以上を申し上げて、賛成討論とする。

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