父がどこかで手に入れて祝ってくれた鯉のぼりが見つかった。

畑の作業中に資材を探しているときに、潰れかけている箱の中から、私が誕生し、喜んだ父がどこかで手に入れて祝ってくれた鯉のぼりが見つかった。

昭和26年ごろのもので、和紙でできた珍しいもので、戦後のどさくさの中で、じり貧の生活をしていたにもかかわらず、手に入れて祝ってくれたものと思う。次男が生まれた時に布製の物に買い変えたと言われる。太い孟宗竹の竿に鯉のぼりを空高く上げ、兄弟で大はしゃぎをした記憶がある。

一時行方不明となって探していたもので、思わぬところから出てきた驚きと、あきらめていたものであったので、驚きとうれしさで喜んでいる。また子供の日の前に見つかったことは喜ばしい。
孫糸緋鯉である。風に破かれてしまったのか、補修の後があり、風化により紙が薄くなっている。ひれが取れているため今一度補修をして、大切に保存することとする。

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